恋する小惑星 10話 「雨ときどき占い」

恋する小惑星_10
恋する小惑星 10

あらすじ

アバン

  • みらとあおが行っていた地学部員ゲリラ勧誘を制止するいの先輩
    • みらとあおのクラスである2年5組に戻る3人
      • すずが別のクラスから現れる.髪を切っている.
        • すずは憧れていたみさに倣って髪を伸ばしていたが,それを話したところもっと自分を大事にするよう言われたとのこと
      • 赤道儀
      • 放課後,地学部員3人が部員募集の計画を立てているところ,七海と千景が現れ,入部を希望する

A

  • 地学部部室
    • 千景は地学部のことをよく知っている
      • 地質班希望,姉(桜先輩)の影響で石が好きで,パワーストーンや占いも
        • 「大地の力で占う ジオマンシー占い」
    • 七海は昨年の文化祭を訪れたが,「正直ちょっと足りないなって思いました」と述べる
      • すずとめぐが部室を訪れる
        • 七海はもっと問題意識を持って活動すべき,人の役に立てるように義務感を持って部活に取り組みたい,と述べる
          • 天文でも地質でもなく,気象を希望している
    • 帰り道,いの先輩は今の地学部で七海の期待に応えられるか案ずる

 

  • みらとあおに国立天文台から郵便が届く
    • 小惑星を発見する「きら星チャレンジ」募集要項
      • 課題に小論文が課され,7名が選抜される

 

  • みらは新歓バーベキューの開催を思いつくが,遠藤先生がすでに予定済みだった
    • 食材の買い出し等の準備をするが,当日は雨天.遠藤先生が急遽開催場所を変更する

B

  • みらは七海にななちゃん,千景にちかちゃんというあだ名をつける
    • 七海のやりたい気象の分野は風,雲,大気,災害等,天気に関することなら何でも含まれる
      • 七海は3年前,親戚の家が洪水の被害を受け,人の役に立てるようにという動機がある
        • 七海にブルーレースアゲート(空色縞瑪瑙)を渡す千景
          • 気持ちを落ち着かせ,心身を穏やかにする
          • あまり無理しないようにと助言する
        • 天気予報や防災は天文や地質よりも生活に直結しており役に立つと述べる七海
          • 天文学も小天体やデブリが地球にぶつからないか監視したり,人工衛星を飛ばして人の役にたっていると述べるみら
          • 地質学も,と切り出すがとっさに例が出てこないいの先輩
            • 地震の予測や鉱物資源,油田の発掘に役立っていると続ける千景
              • 石の力で人を幸せに導くことも
          • 七海(雨は嫌い,臭くて汚い泥も,役に立てない自分も嫌い.私はやるべきことをやるだけ)
    • 雨が上がる.虹が出ていると声をかけるみら
      • 七海は虹ではなく環水平アークであると述べる
        • 六角形の氷の粒に光が屈折して虹色に見える大気光学現象.わりと珍しい現象.
      • 人のためを思って勉強するのはすごいことだが,面白いと思う自分の気持も大切にしてほしいと述べる遠藤先生
    • すずがバウムクーヘンを作成する
      • 褶曲地層
        • 褶曲(しゅうきょく、英: fold)は、地層の側方から大きな力が掛かった際に、地層が曲がりくねるように変形する現象のこと[1]

 

  • 校舎に戻り,望遠鏡で夜空を見る部員たち
    • 鏡筒の焦点距離が910mm, 接眼レンズが10mm, 約10倍で見えている

      • コリメート撮影
        • 接眼レンズを通してスマホで撮影する方法
        • コリメート法を簡単に言えば、望遠鏡(野鳥観察などで使用する、像が正像で見えるものをフィールドスコープといいます)の接眼レンズ(アイピースといいます)に、デジカメのレンズを押しつけて撮影する方法です[2]

    • あおとみらは「きら星チャレンジ」の小論文を推敲しあっている

      • 千景はあおとみらが小惑星発見の目標ために同居していることを知っている
        • 帰り道に土占い(ジオマンシー)で先輩たちを占う千景
          • 孤独だけど行動を起こし前進すべし

 

  • 国立天文台の廣瀬氏からみらに,書類選考通過のメールが届く
    • あおは通過しなかった
      • 落ち込む2人に対し,千景は桜先輩とモンロー先輩との通話をつなげて励ます
      • 「孤独を感じることもあるが,目の前の道は新しい局面に差し掛かっている.古い価値観を捨て,直感を信じて進め」という占いの結果を伝える千景

 

参考文献

[1] フリー百科事典『ウィキペディアWikipedia)』, "褶曲", https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A4%B6%E6%9B%B2

[2] 室見川の野鳥, "コリメート法とは?", http://bird-muromi.sakura.ne.jp/nonsense/collimation/collimation1.html

感想

  • 天気予報や防災は天文や地質よりも生活に直結しており役に立つ

    • 筆者は人の役に立つ仕事をしたいと思ったことがある
      • 筆者の場合,自身の専攻分野はいわゆる「人の役に立つ」ことで有名な分野ではなかったため,分野を変更するべく勉強したり自身の行動を変えたことがある
        • そのことで視野が広がったし勉強にはなったが,自身の興味によって自然に専攻し続けてきた分野に対する関心には,新しく手を出した分野は簡単には勝てなかった.筆者の場合はそれほど深く探求したいという欲求が湧きづらかった.
          • 「人の役に立つ」ことで有名な分野はたしかに「人の役に立つ」.しかしそれ以外の分野も地味であっても色々な形で確実に人の役に立つ
            • もしそれらの地味な分野をやる人がいなくなったら,と仮定すると,色々な局面で物事がうまく回らなくなることが思考実験で簡単にわかる
              • もし,自分にとって本当に不要な分野だと感じても,その分野の恩恵を受けている人が自分とは別の分野には居る
                • 不要だと思う分野がなくなるとその人の便益が損なわれ,その人が属する分野に支障をきたす.
                  • 廻り廻って自分の便益も損なわれる